世界で一番美しい呪いの歌、SixTONESの『ってあなた』について

Taiga Kyomoto×Hokuto Matsumura(SixTONES)『ってあなた』

 

youtu.be

怖い、あまりにも怖すぎる。(褒めている)

震えながら聞きましたよ、、、

 

 

個人的にグッときたポイントや歌詞を書かずにはいられないので書きます。

 

 

 

 

▼歌詞と構成について

あなた 火をつけたなら消してって

遊んだら 元ある場所へと仕舞って 

 

仕舞うと言う言葉は一般的に

 使用したもの大切なものなどを元の場所や入れ物などの中に納めるかたづける。

 

と言う意味で主に使われる。

 

しかし、

  • 終わりにする
  • 続いていた物事をやめる
  • ある行動がすっかりと終わる

などの意味も持つ言葉でもある。

 

遊んだら 元ある場所へと仕舞って 

 

という歌詞のあとに効いてくるのが、リズムを刻むカチカチという音だ。

 

1回目の「仕舞って」は終わりへのカウントダウンがゆっくりと、しかし、確実に意識させられるのが凄く良い。

 

広い静かな部屋にいる時に、やけに虚しく響く秒針の音のようにも聞こえるし、指でコツコツと机を叩くような焦りに似た音のようにも聞こえる。

 

「仕舞って」は、

まるで子供がおもちゃを遊ぶように、自分のことを弄ぶ相手を諌める言葉でありながらも、懇願であり、突き放す言葉だ。

 

突き放すのは、突き放されるのは、

きっと相手じゃなくて自分の方だから、

 

棘のある言葉で、態度で、自身をコーテイングして言い聞かせなきゃいけない。

 

別れはいつもゆっくりと、急にやってくる。

でも、まだ火は消えないみたいだから、

 

せめて、消していってくれればよかったのにって。

 

反対に2回目の「仕舞って」の後には、その音は入ってこない。代わりに入るのはブレスの音。

 

そして男性(?)の視点に移り変わるのが、凄く上手だなと。

 

 

 

 

 

ほんっっっっっっとよく作られていますね!?!?!??

感嘆ですよ……………………………………………

 

 

 

 

 

 

▼きょもほくの声とイメージ

 

京本さんの声は棘のついた薔薇を抱きしめるような声だなと思った。

すごく痛いのに、近く程に魅力的な香りがするというか、

血を流しながら抱きしめて初めて近づけるような、甘美な痛み。

 

痩せ細った僕の感情を

飼い慣らしてどうするんだい?

の部分は特に痛くて悲しい。

でもなぜか「ってあなた」で、より男性的に感じるのは高い声のはずの京本さんなのが面白い。

 

 

北斗は、寒い日の結露した窓みたいな声で

 

結露(けつろ)とは、固体状態における物質の表面、または内部で、空気中の水蒸気凝縮する現象のことである。-Wikipedia

 

窓の内側の温かさと外の寒さによって、目に見えなかった水蒸気が凝固して水滴に変わるのが、っぽい。

 

結露は建物の腐敗や劣化を進める現象なのも、っぽい。(2回目)

 

いろんなものに対する温かさと冷たさを処理しきれなくなって、凝縮した感情は、心のデトックスじゃなくて、傷つける要因になってしまうの、っぽい。(3回目)

 

どちらかというと男性的な声かな?と思っていたけれど、いわゆる女ことばでかかれた歌詞にマッチして、情感をよく表現しているのは北斗なのも凄く面白い。

 

 

これが、きょもほくか…………………………………………………………

と思わず唸ってしまう。

 

ええ、もう超すごいじゃん!!というオタクマインドと

 

こっっっっっっっわ!と破滅的で退廃的な香りのする2人から逃げたくなる本能が戦っている。

 

 

単調にもなりそうな曲が、視点を変えながら、時にメロディを転調させながら展開していくことで、歌なはずなのに映画的というか、

 

YouTubeの動画にもある「異空間で交錯する感情」の言葉は単にリンクした構成のMVだけじゃないなと思わされた。

 

 

 

全体的に相手を責めるような言葉を選びながらも、2人が抱える感情の違いが見えるのも面白い。

 

MVは京本さんの方は諦めている感じが強くて、北斗の方が未練がましい感じがするのに対して、

 

歌い方は、京本さんのほうが責めるような、鋭さも残す雰囲気なのに、北斗の方はそんな力すらも残っていない諦念を感じられる。

 

MVは北斗、レコーディングは京本さんが先に撮ったとのことなので、2人の得意な分野を感じられるのも良い。掛け違えたボタンのように交差する表現方法で、2人が1つの歌を作っていて、それが別れすらも上手にできない別れの歌だなんて良い。良い超えて良すぎる。

 

最後の瞬間まで呪いながらも呪われているのは相手じゃなくて、自分なんだなと。

 

引き伸ばせるところまで引き延ばして、綺麗に幕も引けない恋が1つくらいあっても良いなと思わされる歌で、

 

これの為にアルバム買っても損がないどころか得しかないなと思わされるきょもほく、すごい。すごくて怖い。

 

 

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